(1)ベン・ラーナー著、川野太郎訳『トピーカ・スクール』(明庭社)
(2)難波優輝『物語化批判の哲学』(講談社現代新書)
(3)田中翠香『パーフェクトワールド』(角川書店)
「論破」が日常の社会で
(1)SNSやメディアにおける器用な立ち回りが、政治を規定するようになって久しい。議論の内容ではなく、いかに議論を制するかというメタ次元への訴求は、ディベート文化の変遷と軌を一にする。本作は、1990年代から2010年代までのディベートとアメリカ政治の変化を連動させながら展開する。主人公のアダム・ゴードンは高校ディベートのチャンピオンだ。ディベートに勝利する手法に傾…
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