
松竹は28日、来年5月をもって、大阪・道頓堀の大阪松竹座での興行を終了し、同座の入る大阪松竹座ビルを閉館すると発表した。建物内設備の老朽化に伴う対応で、建て替えを含めた閉館後の計画は未定。大阪における歌舞伎などの興行は「場所を変えて、さまざまな劇場やホールで継続する」としている。
同座は1923年5月、関西で初の本格的な洋式劇場として誕生。ネオ・ルネサンス様式の建物は、近代の名建築とされる。戦前は映画と演劇の双方を提供し、戦後は映画館として興行を続けた。
97年に正面外壁など、往時の雰囲気を保存する形で建て替えられ、演劇の専門劇場に。現在のビルは地上8階、地下2階。地上部分が約1000席の劇場施設で、地下に飲食店などが入居している。歌舞伎公演のほか、松竹新喜劇やOSK日本歌劇団の公演なども開かれ、芝居町・道頓堀の風情を今に伝えるシンボル的な存在として親しまれている。【関雄輔】
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