
テクノロジーで政治を変える。そう訴えた駆け出しの政治団体「チームみらい」が20日投開票の参院選で初めて1議席を獲得し、比例代表の得票率が政党要件となる2%に達した。
比例で当選した党首の安野貴博氏(34)をはじめ、15人の候補者の多くは30代半ばで、東大卒などの高学歴ぞろい。「王道」を歩んできた“エリート”は、なぜ非自民の新興政党を選んだのか。
開票は「パーティー会場」で
20日夜、福岡市中心部の小さな貸しスタジオは、パーティー会場のようなカラフルな照明の下、熱気に包まれていた。
福岡選挙区から出馬したウェブエンジニア、古川あおい氏(34)と支援者の「開票を見守る会」。スクリーンに映ったライブ動画で、東京にいる安野氏が当選確実の報を受けてガッツポーズすると、古川氏たちも「イエーイ!」と手をたたいて喜んだ。
古川氏自身は選挙区での当選はかなわなかったが、党首の議席獲得に興奮を隠せない様子で「チームみらいという存在が日本に出てきたこと、議席が取れたことは、日本、世界の希望になる」と強調した。
チームみらいは5月に安野氏らが結成した。前身は、2024年7月の東京都知事選に出馬した安野氏を支援する「チーム安野」だ。
安野氏は東大でAI(人工知能)研究の第一人者・松尾豊教授の下で学んだ後、AIエンジニアとして活躍。小池百合子氏や石丸伸二氏らが出馬した都知事選で、5位となる約15万票を集めて注目を浴びた。
参院選では「テクノロジーで政治を変える」として新産業での所得倍増や子育て先進国にすることなど5項目を主張。「オープンにする」「分断をあおらない」というキーワードを掲げ、政党交付金でエンジニアチームを発足させて課題解決につなげることなどをうたっていた。
古川氏は都知事選で安野氏を支援した一人だ。当初は「ロン毛(長髪)でうさんくさい」と感じ…
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