
米国とインドの不協和音が目立ってきている。米国は中国に対抗するためインドを重視し、トランプ米大統領も1期目(2017~21年)はモディ首相と緊密な関係だった。だがここに来て、ウクライナ情勢を巡るロシアへの対応や、インドとパキスタンが5月に停戦した際の経緯などを巡って対立が目立ち、関係に暗雲が垂れこめている。
トランプ氏、いらだちあらわに 「2次関税」も警告
「彼ら(インド)はウクライナでどれだけの人々が殺されているかなど気にも留めていない。私はインドが支払う関税を大幅に引き上げるつもりだ」。トランプ氏は4日、自身のソーシャルメディアで、米側の要求に反してロシア産原油の購入を続けるインドを厳しく批判した。7月30日にも、インドとロシアが「死に体の経済を一緒に崩壊させればいい」と、いらだちをあらわにしていた。
トランプ政権はウクライナとの停戦を受け入れないロシアへの不満を強めており、当初の融和的な姿勢から圧力路線に転換。ロシアを経済面で追い込むため、インドと中国を念頭にロシアと取引する第三国に対して「2次関税」を課すと警告し、原油の購入停止を迫っている。
だが、複数の米欧メディアによると、インドは露産原油の購入を今後も継続する方針だ。インド外務省報道官は…
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