高校野球・夏の甲子園1回戦(6日)
鳴門(徳島)―天理(奈良)
夜空に浮かんだ白球が、レフトスタンドに向かってぐんぐん伸びた。
「5番・投手」で先発出場した鳴門・橋本朋来が四回、同点2ランを放った。
1―3で迎えた四回無死一塁、天理の先発・松村晃大の初球だった。やや高めに浮いた変化球を引っ張ると、打球は高々と舞い上がった。左翼席に届いたのを見届け、右手を突き上げた。
投手としては、一回に自らの悪送球も絡んで2点を先取されるなど、二回までに3点を失った。追いかける展開で飛び出した、会心の一振りだった。
今夏は徳島大会で打率5割をマーク。エースと中軸の打者を兼ねて、チームを3年ぶりの夏の甲子園に導いた。
岡田将和監督は試合前、「(橋本が)徳島大会と同じように活躍してくれるかが鍵になる」と語っていた。そのキーマンが見せた鮮やかな一発だった。 【深野麟之介】
Comments