パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、イスラエル紙ハーレツは6日、情報筋の話として、トランプ米政権が、イスラエルのガザ全土占領を含む戦闘拡大計画を容認することを決めたと報じた。イスラエルは7日の閣議で計画を承認する見通しで、米側は人道支援物資の搬入については改善を求めているという。
イスラエルメディアによると、イスラエル軍は作戦の第1段階として、北部ガザ市の約100万人の住民に避難命令を出す。すぐには軍事作戦を拡大せずに、支援物資の配布拠点や避難場所などの整備をする。第1段階は数週間かかる見込みで、その後の第2段階で戦闘を拡大させる計画だ。
イスラエルと米国は、ハマスが武装解除した上で、人質全員を解放させ、戦闘を終結させる包括的な合意を目指している。イスラエルは戦闘拡大で、ハマスに圧力をかけて譲歩を引き出したい考えだが、ハマスが武装解除に応じる可能性は低く、停戦がさらに遠のく恐れがある。
戦闘拡大を巡っては、軍が既に疲弊しているほか、拘束されている人質の命が危険にさらされるとして、イスラエル国内でも根強い反対がある。
イスラエル軍は6日もガザ地区を攻撃した。ガザ保健当局は6日、過去24時間以内に138人が死亡したと発表した。2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者は、6万1158人になった。【エルサレム松岡大地】
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