○ソフトバンク3―1オリックス●(27日・みずほペイ)
走者を出しても後続を抑えて要所を締める。相手の研究や投球への考え方は独特で緻密な姿勢を貫く。米大リーグ・カブスで活躍する左腕、今永昇太のような「投げる哲学者」の雰囲気を醸し出しているソフトバンクの大関友久。8回111球1失点の好投でチームを8連勝に導いた。
七回までスコアボードに0を並べたが、「ボールの調子は自分の中では良いとは思えなかった」という。それでもベターなボールを選択して打者に立ち向かった。
象徴的だったのが六回。2死から2番・大里昂生を迎え、外角のスライダー2球ですぐに追い込んだが、そこから変化球を見極められ、直球はファウルにされた。
出塁を許せば打順が主軸へ回る場面で、大関が8球目に選んだのはフォーク。空振りに切って取るとさっそうとベンチへ戻った。「要所で三振が取れたことが大きかった」という顔には充実感が見えた。
自分を見つめ直す時間を大切にしている。集中するため登山をするほか、今季は専門のトレーナーと契約して、自分の投球に点数をつける取り組みを始めた。対戦した打者ごとに点数をつけ、ベンチに戻ると即座にメモ。その平均値を割り出して次の投球につなげている。「投球の質を数字で出し、サイエンスを再現性につなげることができている」と好調の要因を話す。
自身6連勝で自己最多タイの8勝目を挙げたが、記録の更新が近そうだと感じさせる投球だった。【林大樹】
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