産油国がプラ生産規制に一貫反対 強硬姿勢の背景に二つの「後ろ盾」

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プラスチック汚染根絶を目指す条約策定に向けた政府間交渉委員会の全体会合=スイス・ジュネーブで2025年8月15日午前6時14分、高橋由衣撮影
プラスチック汚染根絶を目指す条約策定に向けた政府間交渉委員会の全体会合=スイス・ジュネーブで2025年8月15日午前6時14分、高橋由衣撮影

 「プラスチック汚染を終わらせる」。3年半前、国際社会が決議したはずの約束は、またしても先送りされた。スイス・ジュネーブで開かれたプラ汚染根絶に向けた条約策定のための政府間交渉委員会は15日、今会合での条文案合意を断念した。対立する国々の主張は平行線をたどり、行き詰まりを打開する手立ては見つからない。

産油国側は一貫して反対

 「新しい議長案もバランスを欠いたままだ」。予定の会期を延長して迎えた15日朝の全体会合で、サウジアラビアの代表は議長団が徹夜でまとめた条文案をそう拒んだ。

 2024年11~12月に韓国・釜山であった前回に続き、今回の交渉委でも、プラスチック原料の石油を産出するサウジなどの中東産油国は、プラスチックの生産段階にかかる規制に一貫して反対した。生産段階とは、原料から廃棄・再利用までプラスチックのライフサイクル全体のうち「上流」に当たるプラ素材(ポリマー)やプラ製品などの設計や製造のことをいう。

 産油国側がそもそも今回の合意に前向きだったかは疑わしい。…

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