福島第1原発のセシウム 半分は汚染水処理で発生した放射性廃棄物

Date: Category:環境・科学 Views:1 Comment:0

福島第1原発で汚染水のセシウムを吸着する設備=東京電力提供
福島第1原発で汚染水のセシウムを吸着する設備=東京電力提供

 東京電力が福島第1原発にたまる処理水の放出を始めてから、24日で2年になる。放出自体はおおむね順調に進むが、顕在化し始めているのが、汚染水を処理水に浄化する過程で発生する、放射性物質を含む廃棄物の問題だ。原子力規制庁の概算によると、その放射能量は人や環境への影響が大きい放射性物質のセシウム137で24京ベクレルを超え、敷地内にたまった事故で溶けた燃料由来のセシウム137の半分を占めるまでになっている。

これまでに10万トンを放出

 こうした廃棄物には、人が近づけないほど放射線量が高いものも含まれる。今後も廃棄物は増え続ける見通しだが、処分計画は何も決まっていない。

 東電によると、2023年8月24日の初放出から、今月3日までに放出した処理水は計10万1870トン、処理水に含まれる放射性物質トリチウムの量は計約22・1兆ベクレル。原発近くの海域で検出されたトリチウム濃度は最大で1リットル当たり56ベクレルで、国の基準値(1500ベクレル)を大きく下回っている。

 建屋の外から入り込んだ雨水や地下水が溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)に触れるなどし、現在でも1日当たり平均70トンの汚染水が発生している。そのため放出開始前に約134万トンあった処理水は、今年8月7日時点で約128万トンと、放出量の半分程度の約6万トンしか…

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.