「同僚の日本人は最低賃金でない」　介護の技能実習生が審議会で訴え

　福岡県の最低賃金（時給992円）の上げ幅を決める福岡地方最低賃金審議会が31日あり、介護現場で働くミャンマー人の技能実習生の女性（24）が意見陳述をした。技能実習生の意見陳述は全国初とみられる。

　女性は2023年6月から北九州市の高齢者介護施設で働く。意見陳述で、女性は賃金が最低賃金から上回ったことはないと証言。「同僚の日本人で最低賃金の人はいない。最低賃金が1500円になれば、自分のために使ったり、将来に向け勉強ができる」と話した。

　陳述を終え女性は「実習生は給料が低く借金もある。生活に余裕がない。好きなことができれば仕事も頑張ることができる。最低賃金を上げてほしい」と話した。

　女性を支援した労働組合「ユニオン北九州」の末永弘美委員長は「技能実習生は職場を変わる自由がないため賃金や待遇で声を上げることができず、声を届けたことには意義がある。何より、搾取の構造を変えなければならない」と話していた。【山下智恵】