原点は「母のため」 14歳が献立アプリ開発 国際イベントで受賞

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「コミュニティ・インパクト賞」の賞状を手にする佐野帆那さん=栃木県真岡市で2025年7月28日午前10時34分、大場あい撮影 拡大
「コミュニティ・インパクト賞」の賞状を手にする佐野帆那さん=栃木県真岡市で2025年7月28日午前10時34分、大場あい撮影

 7月に開催された米マサチューセッツ工科大(MIT)主催の人工知能(AI)に関する国際イベントで、栃木県真岡市在住の中学3年、佐野帆那(はんな)さん(14)が開発したスマートフォン用のレシピ提案アプリ「ちょクック」が「コミュニティ・インパクト賞」に選ばれた。「母のために」という思いを出発点に、地域の人たちも巻き込んでアイデアを結実させたことが評価された。

 佐野さんがアプリ開発に挑戦したのは昨年11月、市内であったアプリ開発ツールの体験会に参加したのがきっかけだった。その後、10代を対象にしたアプリの国内大会への応募を決めて構想を練り始めたとき、最初に思い浮かんだのが「お母さんは忙しい中で献立を考えるのが大変そうだな」ということだった。

 目指したのは、レシート上の食材の情報を読み取り、その食材を使うレシピをAIが提案するアプリ。食材を余らせずに使う「食品ロス削減」の狙いもあった。開発は難航し、技術面で助言をしてくれた主催者側のメンバーに「諦めたほうがいいかもしれない」とも言われたが、「逆にやる気が出た」。完成したアプリは2月の大会でグランプリに選ばれ、国際イベントへの参加権を得た。

米マサチューセッツ工科大で自作のアプリ「ちょクック」について発表する佐野帆那さん(左端)=佐野さん提供 拡大
米マサチューセッツ工科大で自作のアプリ「ちょクック」について発表する佐野帆那さん(左端)=佐野さん提供

 参加を前に地元市民らの協力を得て「実証実験」を2回実施。使い勝手を聞いて、複数のレシートの情報から献立を作れるように改良した。「チラシの特売商品を読み取るという新しい使い方も実験の中で見つかりました」

 米マサチューセッツ州でのイベントでは日米やトルコの学生らが自作のアプリを発表した。佐野さんは途中でアプリを紹介する動画が動かなくなるといったアクシデントに見舞われ、受賞は想像もしていなかったという。「市内の方々の協力でもらえた賞なので、今後は恩を返していけるような活動をしていきたい」と笑顔を見せた。

 母久恵さんは「娘が考えてくれた困り事の解決策が世界で理解され、評価されたことは誇らしい」と話す。

 佐野さんの活動報告会は11日午前11時、KOBELCO真岡いちごホール(同市荒町)で開催される。入場無料。【大場あい】

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