最速150㌔台は9人 剛腕集い春夏の最速更新も 夏の甲子園

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健大高崎の石垣元気=阪神甲子園球場で2025年3月28日、中川祐一撮影 拡大
健大高崎の石垣元気=阪神甲子園球場で2025年3月28日、中川祐一撮影

 甲子園大会のスピードガン表示に注目する高校野球ファンは多いだろう。5日開幕の第107回全国高校野球選手権には、150キロを超す速球を投げる剛腕が多くいる。春夏最速の155キロを更新し、大会史に名を刻むのは誰か。

記録保持者が登場

 最有力は、すでに春夏最速に並んでいる健大高崎(群馬)の右腕・石垣元気(3年)だ。今春のセンバツ大会の準々決勝で、これまでのセンバツ最速153キロを2キロ更新する155キロを4球連続でマークするなど鮮烈な印象を残した。

 甲子園大会のスコアボードでの球速表示は、2004年のセンバツから始まった。センバツでは08年の宇治山田商(三重)の平生拓也と、12年に優勝した大阪桐蔭の藤浪晋太郎の2人が153キロを記録した。

今春のセンバツ大会で健大高崎・石垣元気の投球で表示された155キロの電光掲示板=阪神甲子園球場で2025年3月26日、渡部直樹撮影 拡大
今春のセンバツ大会で健大高崎・石垣元気の投球で表示された155キロの電光掲示板=阪神甲子園球場で2025年3月26日、渡部直樹撮影

 夏の甲子園では07年に仙台育英(宮城)の佐藤由規、13年に済美(愛媛)の安楽智大が155キロをマークしていた。

 石垣は5月の関東大会で156キロを計測するなど、マウンドに上がれば150キロ台を連発して、打者を圧倒する。昨秋の関東大会では球場に158キロの球速が表示されたが、本人は誤表示だとして自己最速を156キロと申告する。

 甲子園大会の最速更新については「チームの日本一という目標が最優先だが、狙えるなら狙いたい」と意欲を示している。

智弁和歌山の宮口龍斗=阪神甲子園球場で2025年3月26日 拡大
智弁和歌山の宮口龍斗=阪神甲子園球場で2025年3月26日

2年生に楽しみな剛腕

 今大会に出場する投手では、石垣に続き152キロで3人が並んでいる。

 センバツ大会準優勝の智弁和歌山の右腕・宮口龍斗(3年)は昨秋に152キロをマークしているが、和歌山大会では球速よりも制球や球質を意識した投球に注力しており、春の決勝で悔しさを味わった聖地でどんな姿を見せるのか。

横浜の織田翔希=阪神甲子園球場で2025年3月28日、渡部直樹撮影 拡大
横浜の織田翔希=阪神甲子園球場で2025年3月28日、渡部直樹撮影

 春夏連覇を目指す横浜(神奈川)の右腕・織田翔希(2年)は今春センバツ1回戦で152キロを記録した。制球、変化球とも一級品で、横浜の先輩で「平成の怪物」と評された松坂大輔さんと比較される逸材は「以前は球速に興味があったが、センバツを経験してからは特に意識はしなくなった。(今夏は)チームが勝つ投球に集中したい」と頼もしい。

山梨学院の菰田陽生=阪神甲子園球場で2025年3月24日、長澤凜太郎撮影 拡大
山梨学院の菰田陽生=阪神甲子園球場で2025年3月24日、長澤凜太郎撮影

 センバツ2回戦で自己最速を6キロ更新して152キロをマークした山梨学院の右腕・菰田陽生(2年)はポテンシャルの高さを感じさせる。身長194センチ、体重100キロの体格で、打者としては高校通算25本塁打を放つスラッガーだ。

 計り知れない伸び代を持つ二刀流は「最速更新に興味がなくはないが、こだわりすぎても投球が崩れてしまう。長く甲子園にいることが目標」と冷静に語る。

高知中央の堅田徠可=阪神甲子園球場で2025年8月2日、長宗拓弥撮影 拡大
高知中央の堅田徠可=阪神甲子園球場で2025年8月2日、長宗拓弥撮影

野手や背番号10にも可能性

 「チームを勝たせる投球をした上で、世代最速になりたい」と闘志を燃やすのは高知中央の右腕・堅田徠可(くうが)(2年)だ。高知大会決勝で試合直前に先発予定だった投手に故障があり、急きょ、先発マウンドを託された。

 すると、140キロ台後半の直球で明徳義塾打線を苦しめ、終盤には試合前の時点の自己最速を8キロも更新する151キロを投げて、周囲を驚かせた。甲子園でさらなる更新を狙っていく。

沖縄尚学の末吉良丞=沖縄セルラースタジアム那覇で2025年7月13日、喜屋武真之介撮影 拡大
沖縄尚学の末吉良丞=沖縄セルラースタジアム那覇で2025年7月13日、喜屋武真之介撮影

 左腕では沖縄尚学の末吉良丞(2年)が最速150キロを誇る。沖縄大会で29回を投げて40三振を奪い、わずか1失点。世代ナンバーワン左腕の呼び声が高く、「球速へのこだわりを持ちながら、チームを勝たせる投球をしたい」。

 最速150キロは他に3人いる。横浜の強肩の遊撃手でマウンドにも上がる池田聖摩(2年)、神村学園(鹿児島)の長身右腕・早瀬朔(3年)に加え、敦賀気比(福井)の背番号10の右腕・山本竜毅(3年)は福井大会決勝で150キロをマークした。

 肌寒さの残るセンバツよりも、スピードが出やすいとされる夏の甲子園。140キロ台後半の直球を投げる投手は多くおり、勝負の行方だけでなく、球速表示からも目が離せない。【長宗拓弥、深野麟之介、皆川真仁、吉川雄飛】

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