「日々の暮らしで精いっぱい」 買えない備蓄品 南海トラフへの懸念

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南海トラフ地震に備え、もらい物のランタンをともす須藤さん=高知市で2025年6月28日、滝川大貴撮影
南海トラフ地震に備え、もらい物のランタンをともす須藤さん=高知市で2025年6月28日、滝川大貴撮影

 昼下がりの薄暗いキッチンに明かりがともった。

 高知市に住む須藤明美さん(51、仮名)は、もらい物のランタンを持っている。ずっとしまっていたが、問題なく光り、ほっとした表情を見せた。棚に置くと「ギシッ」と足元の床がきしんだ。住んでいる借家は築35年。「南海トラフが来たらひとたまりもないですよね」

 2024年8月、気象庁から南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された。高知市では震度7が想定されているエリアもある。災害に備えて「1週間分の食料」を購入することが推奨された。

 すると、近隣のスーパーから水やパックご飯が消えた。須藤さんも入手したかったが、そもそも購入する余裕がないことに気づく。「日々の暮らしで精いっぱいなのに、そんな用意はできない」。物価高が続く中、戸惑いを隠せなかった。

 市内で調理師としてフルタイムで働き、月収は17万円。専門学校に通う長女(21)をひとりで養っている。…

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